従業員の雇用時に必要な書類とは(労働者名簿、出勤簿、賃金台帳)

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会社設立後、当初から従業員を雇用している場合もありますが、一人社長から事業の拡大につれて、従業員を雇用するタイミングがやってきます。本記事では、従業員を採用した際に、会社が必ず作成しなければならない「労働者名簿」、「出勤簿」、「賃金台帳」について説明していきます。

「労働者名簿」

労働者名簿とは、従業員の氏名、生年月日、住所、性別などを記載した名簿のことです。
労働者名簿の詳細は別記事「労働者名簿には何を記載すればいいの?」に掲載しています。

「出勤簿」

出勤簿とは、労働者の労働日数や出退勤時間、時間外残業時間や休日労働時間が記録された書類です。厚生労働省のガイドラインで次のように明確にされています。「労働者名簿」と同様に、正社員、パートタイム、アルバイトといった雇用形態に関係なく、全員の勤務状況を記載しなければなりません。

また、これまで勤務状況の記録が義務化されてなかった「管理監督者」も、2019年4月に働き方改革による法改正の一環により、労働時間を把握することが義務となりました。管理監督者の健康を適切に管理するためという意図があります。

出勤した日に印鑑を押すだけの出勤簿は認められていません。出勤簿には記載しなければいけない事項が決められており、始業や終業、休憩時間などを明記しなければいけません。
出勤簿の詳細は別記事「出勤簿には何を記録すればいいの?」に掲載しています。

「賃金台帳」

賃金台帳とは、従業員の名前や性別、賃金の計算期間や労働日数、労働時間数、時間外労働時間数、深夜労働時間数、休日労働時間数、基本給や手当等の種類と額、控除項目や額など従業員への給与支払い状況を記載した書類のことをいいます。

同じような書類に、毎月従業員へ渡す給与明細書がありますが、両者は全くの別物です。

賃金台帳では必須となっている項目が給与明細書に記載されているとは限らず、また、賃金台帳は保存義務があるのに対して、給与明細書は従業員に交付するのみでOKです。そのため、給与明細書を賃金台帳の代わりに扱うことは難しく、別で賃金台帳を作成し、保管する必要があります。
賃金台帳の詳細は別記事「賃金台帳には何を記載すればいいの?」に掲載しています。

上記3種の書類は労働基準法の「法定三帳簿」と呼ばれ、会社設立後、従業員を雇用した場合には必ず作成し、保存する義務があります。厚生労働省のガイドラインで次のように明確にされています。

『使用者は、労働者名簿、賃金台帳のみならず、出勤簿やタイムカード等の労働時間の記録に関する書類について、労働基準法第 109 条に基づき、3年間保存しなければならないこと。』

※なお、保存期間は、2020年4月から施行された改正労働基準法によって、5年間に延長されました。ただし経過措置として、当分の間は「3年間」が適用されます

この保存期間は、従業員の退職や解雇または死亡のその日からカウントして3年(経過措置完了後は5年)の間とされています。入社日からカウントするわけではなく、また、従業員が退職したからといって、保管の継続をただちに中止することはできないため注意しましょう。

また、上記書類は、正社員、パートタイム、アルバイトといった雇用形態に関係なく、全ての従業員の作成する義務が生じます。未整備の場合や記載内容や保管方法に不備が認められる場合には、労働基準監督署の是正勧告の対象となるため、注意が必要です。

会社設立後、従業員を採用した際に何から準備すればいいのか?など、採用後の書類まで手が回らないことも考えらえます。ご自身で調べて、準備することももちろん可能ですが、抜け漏れがないよう、専門家に依頼することも一つの手段として、検討してはいかがでしょうか。

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