業務中や通勤中の怪我はすべて労災になるの?

特別加入・社会保険


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設業の現場では、事故による怪我だけでなく、従業員が腰痛等を訴えることもあります。では、業務中の怪我や痛みが生じた場合、すべて労災になるのでしょうか?そうではありません。一定の要件を満たしたものが、労災として認められるのです。労災保険には、「業務災害」と「通勤災害」があります。それぞれに対して、どういった要件があるのか本記事でご説明します。

業務災害として認められる要件


■雇用関係・・・従業員と会社が労働契約を結んでいること
■業務遂行性・・・従業員が、会社の管理下で業務を行っていた際に発生した災害であること
■業務起因性・・・業務が原因で怪我や病気をしたといえること

雇用関係でなければならないため、社長や役員は対象外です。また、建設業では、現場ごとに労災保険が成立し、元請会社がまとめて加入するため、元請会社の従業員だけでなく、下請会社の従業員も元請が加入している労災保険の対象になります。ただし、下請会社の社長、役員や一人親方などの外注者は対象外です。

また、通常の勤務時間内だけでなく、始業前、休憩中、残業中などに仕事場所で事故が起こった事故は基本的に業務遂行性があるといえます。出張や運送・配達等の外出作業中など、事業主の管理下をはなれて業務に従事している場合であっても、事業主の支配下にあることに変わりはなく、業務遂行性は認められます。

ただし、会社が開催する歓送迎会、忘年会、社員旅行等は基本的には、業務遂行性はないですが、強制参加であり、不参加の場合は欠勤扱いとなること、旅行にかかる費用を会社が全額負担していること、旅行が業務を遂行するうえで必要不可欠な内容(例えば研修のための旅行)であること等の場合は、労災認定されることもあります。

業務起因性は、その仕事や業務が原因で負傷や疾病した場合をいいますが、よく問題になるのは、過労死や心疾患等の疾病です。これらの疾病と業務との関連性を考えるにあたっては、労働者の労働時間や業務の性質、治療を受ける機会の有無、上司との相談等により軽微な業務に転換することが可能であったか等の事情を考慮するのに加えて、労働者の日頃の習慣、体質、性格等の個人的素因も加味して判断することになります。
例えば、労働者が疾病を発症する前に長時間の残業をしていた場合や、日勤や夜勤の交替制といった不規則な勤務形態であった場合などは業務との関連性がより認められやすくなると考えられます。

また、「腰痛」に関しても注意が必要です。腰痛を発症した労働者が入社以前より持病として腰痛を患われていた場合、業務との関連性は認められない場合が多いです。この場合、業務に従事しているかどうかは関係なく、労働者の個人的要因として腰痛を発症したと考えられるためです。
一方で、当該従業員が重量物を取り扱う業務等に従事して身体に過度に負担をかけた結果、腰痛を発症した場合は、業務との関連性が認められる可能性があります。

通勤災害として認められる要件


■ 従業員と会社が労働契約を結んでいること
■ 合理的な経路及び方法による通勤中に災害にあったこと

    
ここでいう通勤中とは以下の移動を指します。
①自宅と仕事場所との間の移動
②仕事場所から他の仕事場所への移動
③自宅と仕事場所との間の移動に先行し、または後続する住居間の移動

例えば、平日は社宅から仕事場所に向かい、土日は家族がいる自宅で過ごしている従業員が、月曜日に仕事場所に向かうために、一度自宅から社宅に向かった場合の移動は通勤中といえます。ただし、出張中の移動により負傷した場合、使用者の指揮下により移動することと考えられ、「業務災害」に分類されるため注意が必要です。

また、怪我の程度は、労災保険の認定に影響しません。そのため、かすり傷や突き指などの軽傷であったとしても、上記の労災の条件に該当するのであれば、労災保険から給付を受け取ることができ、療養(補償)給付の請求をすることで治療費の負担はありません。

ただし、かすり傷や突き指などの軽傷であれば、通院期間が短くなるため、休業(補償)給付である給与補償は受けることができない場合も多いです。

万が一、労災隠しが発覚した場合には「労働者死傷病報告の未提出」もしくは「虚偽の報告」(安衛法100条、120条違反)に該当し、隠した行為者とその所属会社、それぞれに50万円以下の罰金が科されます。

 小さな怪我であっても、業務上発生した場合は労災とされます。例え大きな事故や怪我でなくても、軽く考えるのではなく、正しく対応するようにしましょう。

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