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結論から申し上げます。資本金が１円でも自己資金がしっかりとあれば融資を受けることは可能です。ですが、資本金1円での設立は、あまりおすすめできません。

2006年5月に施行された新会社法により、資本金1円でも株式会社が設立可能になりました。

簡単に起業できるようになった一方で、資金調達の際に融資が通りにくいのではないかと不安になる方も多いと思います。

たしかに、資本金の１円のみでは金融機関からの借入は厳しいです。ですが、資本金のみで融資の審査がされるわけではありませんので、場合によっては金融機関からの資金調達は可能です。

資本金は融資の審査に影響する？

よくある誤解の一つが、自己資金は資本金の額がそのまま認定されるというものです。自己資金と資本金は、全くの別物です。資本金がなくても、自己資金があれば金融機関からの資金調達は可能です。 とはいえ、資本金が会社の信用力などの指標として見られることも往々にしてあり、全く審査に影響しないとは言い切れませんので、資本金は100万円以上で設定しておく方が無難です。

資本金と自己資金の違い

資本金とは

資本金とは、会社が設立時や増資時に出資者から受け取る資金のことを指します。これは、会社の資金源となり、事業の運営や成長に利用されます。ですので設立手続きが完了した後は自由に引き出すことが可能です。ですので、資本金の額が大きいからといって、その会社に同じ金額があるとは限りません。

自己資金とは

自己資金とは、経営者が事業に投資する自身の資産や資金のことを指します。自己資産として認められる者には、自身の預金通帳に貯めたお金、返済義務のない贈与されたお金、退職金、資産を売却した資金などがあります。預金通帳に入れていないお金、返済義務のあるお借入金、急に大きな金額が口座に入れられているもの等は、自己資金として認められません。

資本金は常時その金額が口座にあるものではありませんので、融資の際に特に重要なのは自己資金です。

資本金が１円での創業融資

繰り返しになりますが、資本金が１円であっても自己資金がしっかりとあれば金融機関からの資金調達は可能です。

自身の貯蓄を資本金に充てている場合、資本金の金額も自己資金に含めることは可能です。ですが、資本金が１円で、なおかつ自己資金が他にない場合は融資は絶望的と言っていいでしょう。

また、法人口座を開設する際、あまりにも低い金額を設定してしまうと、怪しい会社なのではないかと銀行が口座開設に慎重になります。スピーディーな会社設立を目指すのであれば、資本金を1円で設定することは避け、100万円以上で設定した方が無難と言えます。

どのくらいの自己資金が必要なの

どのくらい自己資金があれば良いのかといいますと、自己資金の割合は融資金額の1/2～1/3程度が目安と言われています。日本政策金融公庫の新創業融資制度は融資希望金額の1/10以上で申込可能ですが、1/2～1/3程度は確保すると良いでしょう。融資は総合評価ですので1/3に届かない場合は、事業の計画性や事業主の経歴等でアピールすると、融資が通る可能性があります。