国家資格が無くても許可は取れる?
建設業許可
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建設業許可を取得するためには、一定の国家資格か実務経験が必要です。
これは建設業の許可要件のひとつである「営業所の専任技術者」を置くためです。
一定の国家資格を有している場合には「一般建設業許可」と「特定建設業許可」両方の専任技術者要件を満たしますが、実務経験の場合には「一般建設業許可」のみ専任技術者要件を満たすことができます。
本記事では「建設業許可を取りたいけど、何も資格を持っていないから無理だろう」と思われている方へ、実務経験について詳しく説明していきます。
実務経験として認められる経験は?
建設工事の施工を指揮、監督した経験や、実際に建設工事の施工に携わった経験はもちろん、これらの技術を習得するためにした、見習い中の技術的経験も含まれます。
また、建設工事の発注に当たって設計技術者として設計に従事した経験も含みます。
建設工事の雑務のみの場合は経験に含まれません。
実務経験中の雇用形態は?
原則として社会保険に加入していた期間を経験年数とすることができます。
日本年金機構から発行される「被保険者記録照会回答票」を取得すると、厚生年金を支払っていた期間について、いつ・どこで勤務していたかが分かります。
実務経験を証明できるのは誰?
実務経験を積んでいた時期の使用者(法人または個人事業主)が証明者となります。
倒産・死亡等により当時の使用者からの証明を受けることができない場合は、その当時から営業を行っている同業他社の2者からの証明を取得する必要があります。
また、個人事業主は自分自身を証明することはできません。
法人成の場合も法人設立以前のことについては証明能力がないため、同業他社の2者による証明が必要です。
実務経験の工事実績を証明するには?
請負工事契約書の原本、または注文書の原本+請書の写しを提示することで請負工事実績があること、現場での施工に従事した経験、発注に当たって設計技術者として設計に従事した経験を立証します。
事案によっては、工事台帳、賃金台帳、出勤簿等が必要な場合があります。
実務経験が必要な期間は?
建設業許可に必要な実務経験の期間は次の通りです。
- 許可を受けようとする業種について10年以上の実務経験があること
一人の技術者が複数の業種をいずれも実務経験で担当する場合、担当する期間の重複は認められません。
例えば、国家資格を有しない方が2業種を担当する場合、業種ごとに10年間、合計20年間の経験を証明する必要があります。
- 許可を受けようとする業種について学歴+実務経験がある場合
- 高等学校、中等教育学校又は高等専門学校・大学(短期大学を含む)の専門課程を修了した後、5年(高校・中等教育学校の場合)または3年(高専・短大・大学の場合)以上の建設工事施工に従事した経験を有する者(※指定学科修了)
- 専修学校の専門課程を修了した後、5年(専門士、高度専門士の場合は3年)以上の建設工事の 施工に従事した経験を有する者(※指定学科修了)
指定学科とは
建設業許可申請に必要な書類は?
- 様式第9号 実務経験証明書
- 指定期間分の請負工事契約書の原本、または注文書の原本+請書の写し、工事台帳等
- 卒業証明書(学歴・実務経験の場合のみ)等
場合によっては追加書類の提示・提出を求められる場合があります。
まとめ
許可を受けようとする業種に関して、上記の条件を満たし、必要書類を揃えることができる場合は実務経験を認められ営業所専任技術者となる資格を有することができます。
現時点で経験年数を満たしていない方でも、あと何年で建設業許可が取得可能になるのかの目安になります。
契約書や注文書・請書の写しなどを長期保管される事をお勧め致します。