具体的な設立届 その2
節税・税金
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■源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書は、会社の判断で任意に行うものです。通常、従業員などに支払う報酬から天引きした源泉徴収税は、報酬支払日の翌月10日までに納付しなければなりません。しかし、当該申請書を提出すれば納付時期は年2回、1~6月分を7月10日までに、7~12月分を翌1月20日までにまとめて納付ができるようになります。事務手続きにあまり時間をかけられない小規模事業者は、事務作業が減りますので、申請を検討しても良いかもしれません。
ただし、申請できるのは給与の支給人員が常時10人未満の事業者に限られます。また、提出期限の定めはなく、年度の途中に提出しても問題はありません。提出の翌月の給与から特例が適用されますので、事業開始から適用を受けたいときは、初回の給与支払月が到来する前に申請を済ませておきましょう。
■棚卸資産の評価方法の届出書
棚卸資産の評価方法の届出書とは、商品や製品、仕掛品など、在庫として残る資産の評価方法を事業者側が選定する際に提出する書類です。棚卸資産の評価方法の法定評価方法は「最終仕入原価法」とされていますが、他の評価方法を採用したい場合には、届け出を行う必要があります。
この届出書の提出は各社が必要に応じて行うものとなっています。棚卸資産の提出期限は最初の確定申告の提出期限(仮決算による中間申告書を提出する場合は中間申告書の提出期限)とされており、届出署を提出しない場合には法定評価方法である「最終仕入原価法」 で評価されます。棚卸資産の評価方法の選択によって利益の額も変動しますので、特定の棚卸資産の評価方法を第1期から採用したい場合は、提出期限までに届け出を行いましょう。
■減価償却資産の償却方法の届出
減価償却資産の償却方法の届出書とは、減価償却資産の償却方法を届け出るための書類です。減価償却資産の償却方法は、資産の区分ごとに「法定償却方法」が決められています。法人が所有する法定償却方法以外の減価償却を適用したい場合には「減価償却資産の償却方法の届出書」を税務署に提出することで、償却方法の変更を行えます。
提出期限は、最初の確定申告の提出期限(仮決算による中間申告書を提出する場合は中間申告書の提出期限)と同じです。未提出の場合は法定償却方法を適用するものとして処理されます。特定の資産評価について、第1期から任意の方法で減価償却を行いたい場合は、提出期限までに届け出を行いましょう。
■申告期限の延長の特例の申請書
申告期限の延長の特例の申請書とは、申請を出すことで申告期限を1カ月延長することができる制度を受けるために提出する書類です。この制度の適用を受けるには、事業年度終了の日までに「申告期限の延長の特例の申請書」により申請をする必要があります。また、延長の理由としては「定款に定時株主総会を事業年度終了後3カ月以内に行うと決められており、2カ月以内には決算が確定しない」等のやむを得ない事情があるときに、申請に対する許可が下ります。
なお、納付期限は延長されず、2カ月以内に納付をしなければ利子税がかかることになるため、納付は見込みの金額ですることになります。