【登記事項の決め方・注意点】事業目的
会社設立
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会社設立時には定款の作成が義務付けられており、事業目的は定款に必ず記載する必要がある絶対的記載事項の一つです。
特に建設業においては、許可を取得する際に、事業目的が重要になってきます。
岡山県で建設業の会社設立する場合の、事業目的を決める際のポイントや注意点、記載に関する決まりなどについて説明します。
〇定款に記載する「事業目的」とは
事業目的について解説する前に、まずは定款とは何かを簡単に説明します。
定款とは会社の商号や事業目的、役員に関する決まりごとといった会社の根本に関わるルールを記載するものです。
定款の作成は法律に義務付けられているため、会社の設立時に必ず作成しなければなりません。
そして事業目的は定款に必ず記載する必要がある、「絶対的記載事項」のうちの一つです。
そのため事業目的は会社設立時に定めることになり、会社は定款に定められた目的の範囲内で事業を行うことになります。
また、罰則はないものの原則的に定款に記載されていない事業を行うことはできないため、事業目的をどう定めるかは会社経営においてはとても重要なことなのです。
〇定款の記載内容に違反した場合はどうなる?
定款に記載された目的外の事業を行い、定款の記載内容に違反したとしても罰則はありません。
ただし民法においては会社が事業目的以外の取引をすると、その行為自体が無効になるとされており、取引関係者などから不当利得の返還請求を求められるなど、民事上の責任を負う可能性があります。
〇事業目的を決める際の4つのポイント
何を事業目的と定めるかは基本的に自由ですが、事業目的を決めるうえではいくつかの重要なポイントがあります。
1.法令を遵守すること
会社経営は会社法その他の関連法規に従い事業運営をしなければならず、違法な行為を事業目的とすることはできません。
例えば詐欺・窃盗の請負や違法薬物の販売といった犯罪行為のほか、愛人契約の仲介業のような公序良俗に反する行為も違法行為にあたります。
また仮に適法であったとしても、社会的信用性が低い事業目的も避けた方がよいでしょう。
出会い系サイトの運営や風俗店の経営、仮想通貨投資など、社会的信用性が低い事業目的を定めると取引先や銀行からの心証が悪くなり、経営に悪影響を及ぼすこともあります。
2.営利目的であること
会社は営利の追求を目的とする組織なので、その事業目的も営利性がなければならず、ボランティア活動や社会福祉への出資といったような営利性のない事業は事業目的にはできません。
もし非営利活動を事業目的とするのであれば、会社ではなくNPO法人・社団法人といった組織を設立する必要があるでしょう。
3.記載は明確にすること
事業目的が広すぎたり抽象的であったりすると、何をしている会社なのかわからないため、定款に記載する事業目的は明確でなければなりません。
定款の事業目的は、融資の審査の際に、取引先や銀行がその会社の信用度を図るときなどに参考にします。
しかし事業目的が不明確では本当にきちんとした取引ができるのか、貸したお金が返済できるのか判断できず、不信感を与えてしまうでしょう。
定款の事業目的は関係機関に見られることを前提として、誰が見ても理解できるようわかりやすく明確な内容にしましょう。
4.必要な許認可が得られること
岡山県で建設業の会社を設立する場合、許認可を受ける際に、定款の事業目的に不備があると、許認可の申請が通らないことがあるのです。
そのためもし会社設立後に許認可申請が認められなかった場合、定款の事業目的を変更する必要があります。
定款変更には手間や費用もかかるので、許認可事業を営む予定があるなら不備がないかを慎重にチェックしたうえで事業目的を定めましょう。
⇒どの業務をする際に、どの書き方をすればいいのかについては、「建設業の許可のための事業目的の決め方」の記事をご参照ください。
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