最初に検討すべき節税方法 出張旅費規程

節税・税金


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出張旅費規程は節税になる?メリットは?

出張旅費規程を作ることで大きく2つメリットがあります。

1つ目のメリットは、出張費精算の手間の削減という点です。

1日に多数の従業員が出張に行く建設企業は、毎日のように旅費交通費などの出張経費を精算する手続きが発生し、大変なことになってしまいます。この手間を削減するため、出張旅費規程にて実費精算ではなく固定額を支給することを定め、出張旅費精算の手続きを簡略化する企業も見られます。出張先の距離に応じて支給額が定められており、その金額内で旅費交通費、宿泊費を収めるようにする形です。出張が多い建設企業でなくても、出張の内容や経路などを確認・承認することに苦労されている上席者や、交通機関や宿泊先を一つひとつ調べて処理をする出張経費の精算の手続きで苦労されている経理の方は多いでしょう。こうした場合、出張旅費規程を作り定額支給で補填するように定めれば、それら煩雑な事務作業を減らすことができます。

2つ目のメリットとしては、所得税ならびに法人税の節税対策が挙げられます。

まず、交通費や宿泊費などの出張経費は、実費精算なので非課税です。一定金額が支給される出張手当は、実費以上の金額が支給される可能性もあるため、原則給与所得として課税対象となります。しかし、出張旅費規定に金額が規定されており、相場の範囲内であれば非課税所得として扱うことが可能です。さらに、出張手当は経費精算時に損金算入できるため、従業員の所得税だけでなく法人税を節税することもできます。ただし、相場を逸脱した不当に高額な出張手当は課税対象となるため気を付けましょう。出張旅費規程を作成する際は相場を把握し、税務署から指摘を受けないよう妥当な金額に設定することが重要です。

出張旅費規程の作成上のポイント4選

上記の恩恵を受けるためには、出張旅費規程を作成することがマストです。出張旅費規程を作成する上で、いくつか押さえておくべきポイントがあります。抑えるべきポイントを疎かにしていると、税務署から指摘を受ける場合がありますので、注意が必要です。

・適用範囲の定め

建設業の出張旅費の適用範囲ですが、原則対象者は役員を含めた全社員なので、全社員としておくのが望ましいです。誰が出張に行く必要があるか分からないですし、一定の役職以上でなければ認められないのでは従業員の士気に影響してしまいます。仮に役職によって差をつけるのであれば、適用範囲ではなく支給額にすべきです。役員と部長級以上、それ以下で支給額に差をつけるほうがベターと考えます。

・出張の定義の定め

出張の定義ですが、勤務先から出張先まで片道何km以上を出張と認めるか、交通機関はどこまで認めるかなど、具体的な部分まで決めておく必要があります。例えば、片道100km以上の場合を出張と認める、450km以上なら交通機関に飛行機が利用を認める、また、役職者のみグリーン車の利用を認めるなどが挙げられます。

・旅費の項目と支給額の定め

大きく分けて、交通費、宿泊費、日当の3つとなり、項目ごとにそれぞれ支給額や利用出来る条件、実費精算か定額支給かなどを定めます。ここで金額が適正ではないと判断されると、従業員に支給される手当に所得税が課税される可能性があるので注意しましょう。国税庁により非課税とされる旅費の範囲は以下のように定められています。金額の明示はないですが、下記を参考に金額設定をする必要があります。

(1)その支給額が、その支給をする使用者等の役員及び使用人の全てを通じて適正なバランスが保たれている基準によって計算されたものであるかどうか。

(2)その支給額が、その支給をする使用者等と同業種、同規模の他の使用者等が一般的に支給している金額に照らして相当と認められるものであるかどうか。

・出張に必要な手続きの定め

上記を踏まえて、どのようにして出張旅費を精算するのかという手続きを決めます。支給の方法や、出張何日前までに申請するのか、急な出張が決まった場合にはどうするのか、出張後の実費精算にするのか出張前に定額支給するのかなど、手続きを決める必要があります。

出張旅費規程をよりよく整理するために

上記まで述べてきたことが基本の中でも大事なトピックでしたが、基本だけでなく例外についても規定しましょう。一部の例外やイレギュラーな出来事についても規定しておかないと、ケースごとに判断する必要に迫られて処理が煩雑になります。例えば悪天候の場合の経路や使用交通機関の変更、自然災害、出張中の怪我、交通事故、転勤者の本社への出張にともなう帰省など、あらゆる場面を想定して定めましょう。

出張旅費の支給は原則として、給与にはならず非課税扱いとなります。また、適切な額で出張旅費規程に定められていれば、交通費や宿泊費、出張日当は実費精算でなくても問題ありません。そのため、税務調査においてもチェックされやすい項目となっています。出張旅費に関しては領収書などをもらえないケースも多く、カラ出張が行われてしまう可能性もあるので、税務調査時に適切に説明するためにも、以下の書類を残して守りを固めましょう。

・出張にかかる経費の領収書

・出張報告書

・出張経費精算書

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